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父の日ネタが浮かばなかった件。
いや、浮かんではいた。浮かんではいたんだけど、オチだけついて経過が追いついてない状態です。
大体わたしは描きたいシーンだけ考えてその経過を考えないという人間だから・・。
だから漫画とか描くと主旨どっかいっちゃうんですね。
そして今回もまた同じ状態にはまりました・・・。ナンテコッタイ



良いよね!父の日過ぎたってなんかやるんだ!






yuukun.jpg幼少幽とドクター(手のみ)

ちょっと前の記事で言ってた研究者サイドの話を追記にて。
やっぱ救いは必要ですよね。
良心って大事。うん。


ガチシリアスです。
名前出してませんがちょこっとタタラさん借りました。



何があったのだろうか、意識が朦朧として思い出せない。




遠くて何かが聞こえる 目で確認しようにも霞んで役に立たない




遠くなる意識を必死に繋ぎとめながらその音に集中する




あれは・・・・




---------




「中止・・・ですと・・?」
その声はか細かったが、無機質な部屋にひどく響いた。
目の前の使いの者は頷く。
「そうだ。お前達の研究はあまりに非人道的であり、危険であると新王が判断なされた」
その言葉を聞いたその男は信じられないと言った顔をしていた。
そんな男など気にせず使いの者は言葉を続けた。
それはひどく残酷な言葉を。


使いの者が帰った後、その男の部屋には同じような服装に身を包んだ者たちが集まっていた。
そしてその中央にいるその男は先程使いの者がいった言葉を告げた。
「中止って・・・そんなっ!」
「ここまで来て!?」
「それで良いんですか、イル!?」
周りのものはそれぞれ不満の言葉をもらすが、中央の男ーイルーは気に留める様子もなく言う。
「仕方がない・・新王が決めたのだ。どうする事もできないさ。」


もともと、この研究は前の王の命で始めたものであった。
イルは何かを識(し)る事が好きだった。
その知識を何かに生かす事はさらに好きだった。
その事のみに生きていた。
いつしかイルは若くして有能な研究者と言われるようになった。
肩書きなどどうでも良かった、ただ己の欲のまま動いただけだった。
そして前の王の命でこの研究の総責任者になった。


しかし、前の王は死んだ。
そして新しい王がたち、研究をやめろと言った。



「人に言われて初めて気づくものってあるんだなぁ・・・」
イルは自嘲気味に笑いながらも使いの者の続きの言葉を思い出していた。
そして、その場に最悪はきた 


「私たちは、処刑、だそうだ。罪人として・・・」
他の研究者たちの顔から一斉に血の気が引いた
その場に沈黙がおりた


「まあ、私はやりたい事やってきたから別にどうって事ないよ?」


「そこで思い立ったんだ、子供達の事を。一生を此処で終える子供達の人生を。」
どこか遠くを見て話すイルを一人の女性研究者が止めた。


「・・・ちょっと待って下さい」
「なんだい?」
「今・・・子供達って・・・。」
その声は震えていた。
少しして他の研究者達も気づいた。気づいてしまった。
その時、




バタン   パタパタパタパタ




「どくたー!!きいてきいて!!」
「わたしたちきめたんだよ!!」
嬉々としながら子供達が部屋に入ってきた。
いきなりの事で驚いた研究者達はしかしながら、慣れているのかすぐに子供たちに言う
「コラ、部屋に入る時は扉を叩きなさい。」
中年の男性研究者に怒られた子供達はしゅんとなるが、すぐに続きを話す
「ぼくたち、なまえきめたんだ!」
「へえ、どんな名前にしたのか後で教えてもらえるかな?今は大事な話してるからね。」
そういってイルは子供達に部屋から出るよう促した。
少し残念そうな顔をしながらも子供達は素直に部屋を後にした。


扉が閉まった後、イルは口を開いた


「・・・さっきの話の続きなんだけど、子供達について考えてみたんだ。
あの子達はどんな生き方をするのか、どんな風に育つのか、どんな人と出会うのか。」
口調は軽かったが研究者達は黙って話を聞いていた。
「そう思うとさ、私たちがやってきた事の大きさが分かったよ。」


研究者達は驚いていた。この男の変化に。
この男は一番子供たちに対して何も感じていないと思っていた。
どうやらそれは本人が自覚していなかっただけらしい。


「・・・あの子達には生き残る為の力が必要だ。
そして、それを与えるのが私が最期にあの子達にしてやれる事であり、
少しの罪滅ぼし・・・だと思った。」
むしろ自分はあの子達に憎まれようが殺されようが仕方がない。
「君達も、協力しれくれるかな?」
無理に付き合う必要はない。そう言っていた。
研究者達は頷いた。
すでに死は確定している。ならばせめて己のしたことの責任をとろう。


「でも、あの子・・・06は・・・・」
誰かがつぶやいた。
その子は6人の子供たちの中では失敗確実とされていた。
「やるしかないのさ、時間はもうないんだ。」





そして、その日は来た。




----------------------




朦朧とする意識の中でイルはその音が何なのかようやく分かった。
そして、こうなった経緯も思い出した。


生き残れたのは、ただ一人だった。
失敗確実だった子。
そして今その子は確実に壊れかけていた。
幼すぎたのだ。




―すまない、すまないすまないすまないすまない―
自分のした事の結果がコレだ。
いくら謝ろうがもう、意味もない。




叫んでいる
あの子が
泣いている




殺されてもいいと思っていた。
それで、気が済むのなら。少しでも楽になるなら、と。
「(なんて傲慢だ・・・。)」
あの子は苦しんでる、罪悪感で。悲しみで。憎しみで。怒りで。




どうしてと壊れたように叫んでいる
もうだんだん声も遠くなってきた


ゴメンナサイ


その声が届いた
赦しを請うのは私だ。お前は悪くない。
そう言おうとしても口から出たのは鮮血だった。
せめて、名前だけでも。
あの子がこちらを向いた。きっと血が落ちた音に気づいたのだろう
言わなければ。


「ゆ・・・う・・・、」


ゆらゆらと揺れる視界の中でイルは必死に体をひきずっていった
手を伸ばす、いつもしていたように。
撫でて、言った。



いってらっしゃい


幽が走り去っていく、
ちゃんと聞こえただろうか
あの子はこれからどう成長するのだろうか
どんな人と出会うのだろうか


そして、静かに目を閉じた















成長した幽がいた
髪色が違ったが、不思議とあの子だとわかる
一緒に眼帯をした男がいた。
あの子は  父さん  と呼んだ




あの子は笑っていた。




夢だろうか
それでも、現実になって欲しいと思った




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;;
お世話になってます翠さん!いつかですv
ふぉお…ナチュラルに涙腺が緩みました…
ぐすん
幽くんが幸せでありますように
そして、イルさんどうか安らかに。
ご冥福をお祈り致します。
いつか 2010/07/01(Thu)20:13:13 編集
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